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競走馬の病気や、知られていない実体などを紹介。
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<屈腱炎>

厩務員は、馬房から馬を出すときに必ず足元を触診する。

熱感や浮腫の有無を確認してから、調教に出かける。その毎回の積み重ねが、足元の疾病の早期発見を生み、疾病馬の予後の良悪につながる、重要な作業である。

競走馬にとって足元の疾病は致命傷につながることがある。500キロ近い体を、人の手首ほどの脚で支えているのだから当然である。

足元の病には様々あるが、なかでも最も恐れられているものに、屈腱炎がある。きわめて恐ろしいこの病だが、競走馬の命まで取る事はしない。が、数え切れないほどの馬が、屈腱炎によって命を落としてきた。なんとも不思議な話だが、まずはこの病について説明する。

<屈腱炎とは>

屈腱炎は、走行中に腱線維が断裂することで発症し、スピードのある競走馬等が発症しやすい。すねの裏側の腱がはれ上がり、まるでえびのような形になるので、”エビ”や”エビバラ”などとも呼ばれている。以前は”不治の病”と言われていた。

屈腱炎には、浅い部分の腱の断裂による浅屈腱炎と、深い部分の深屈腱炎とがあり、前肢・後肢ともに発症するが、競走馬では、前肢の浅屈腱炎がほとんどである。

病変の程度は軽度からTypeⅠ~Ⅳに分類され、最も重度のTypeⅣでは、1年以上の休養が必要になる。触診による診断では、軽度の段階での発見は難しく、近来、超音波診断法が確立されてはいるが、赤字経営の地方競馬場では、高額な機器ゆえ購入できず、いまだ触診に頼っているのが現状である。

<屈腱炎の真の恐ろしさ>

屈腱炎は、本当に恐ろしい病気である。

その理由の1つに、長期休養と競走馬のピークの問題がある。

ご存知のとうり、競走馬のピークは短い。もし、その馬が一番旬な時に発症したのならば、その馬は休養明けにはピークが過ぎている可能性が高い。また、重度な場合、後遺症が残る可能性も高いので、能力低下を余儀なくされる。

そんな状況で、完治させたとしても、レースでの勝ち負けは見込めない。屈腱炎を発症させたからと言ってクラスを下げてくれるほど世の中は甘くない。

したがって屈腱炎には、”治療”と言う選択肢は稀である。関係者は”引退”か”壊れるまで使う”かの究極の選択を迫られる。

良識のある調教師・馬主は引退を選択するだろうが、中には、後者を選択するものも少なからず存在する。屈腱炎であることをバンテージなどでひた隠し、レースに出走させる。無論その馬は悪化の一途をたどってゆく。

彼らの目的は”出走手当て”に他ならないが、限界まで使った後に、猛獣のえさ用として売られてゆく。そのようなことがJRAでは無いかもしれないが、地方競馬では頻繁に行われている。

上のようなケースは極端だが、屈腱炎=廃馬が常識であることには変わりは無い。競走馬は経済動物なのだから仕方の無いことなのだそうだ・・・。

 

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